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【代替肉】ビヨンド・ミートとは (BYND) 分析・解説 【環境に優しい植物性肉?】

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【BYND】ビヨン・ドミートってどんな会社?

https://www.beyondmeat.com/

皆さん、ビヨンド・ミート(Beyond Meat Inc)という会社をご存じでしょうか?その名の通り、お肉の会社です。しかし、普通のお肉ではないのです。お肉を「ビヨンド」、すなわち飛び越えているのです。何を言っているのかと言うと、ビヨンド・ミートは代替肉を作っている会社なのです。

"カリフォルニア州エル・セグンドに本部を置く植物由来の人工肉を製造・開発するアメリカ合衆国の食品テクノロジー企業。2013年より全米のホールフーズ・マーケットで販売されている。"

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"2009年にイーサン・ブラウンによって設立。これまでにクライナー・パーキンスやオブビオス・コーポレーション(現Twitter)、ビル・ゲイツ、ビズ・ストーン、ヒューメイン・ソサイエティー、タイソン・フーズなどから資金を調達している。"

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多くの著名人が、将来性を期待してビヨンド・ミートに投資していることがわかりますね。近年では、環境問題へ強く関心を抱いている俳優のレオナルド・ディカプリオも投資しています。
 

"2018年6月、ミズーリ州コロンビアに二つの生産拠点を開設、製造規模は従来の3倍に拡大し、50以上の国際マーケットとテスコやA&Wカナダなどのスーパーマーケットやファストフードチェーンに製品を提供している。2019年5月、NASDAQ市場に新規株式公開、963万株が売却され2億4100万ドルを調達、IPO価格25ドルに対し初値46ドルをつけた。"

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ティッカーシンボル "$BYND"として、代替肉関連の企業としては初めて米国株式市場であるナスダックにも上場しています。

代替肉とは?

代替肉とは、動物の肉を使用せずに肉の見た目・味を再現した食べ物になります。植物ベースで、主に大豆を使用して作られることが多いため、ソイミート、大豆ミートと呼ばれたり、本物の肉ではないのでフェイクミートと呼ばれたりしています。

なぜ代替肉?

では、なぜ代替肉を作る必要があるのでしょうか。スーパーに行けば簡単に肉が手に入りますし、ハンバーガー屋さんに行けば手軽においしくお肉が食べられます。ハンバーグやステーキ、焼き肉が好物な人もたくさんいますよね。いくつかの理由はありますが、主に以下の2つの理由があります。

① 環境負荷:環境に優しい食事をしたい

② 動物倫理:動物を殺したくない

①環境負荷

代替肉を食べることで、なぜ環境への負荷が減るのでしょうか。あまり関連があるようには思えませんよね。でも実は、私たちがお肉を食べるために、環境へ多大な負荷をかけてしまっているのです。地球温暖化といった環境問題はニュースでもたびたび話題に挙がりますが、その要因として報道されるのは火力発電所の建設や自動車からの排気ガスがメインですよね。

しかしながら実は、数ある環境問題の中で環境への負荷が最も大きいのは畜産業だと言われています。意外ですよね。学校でもニュースでも誰も教えてくれませんし、お肉を食べてもそうした事実は見えてきません。

国連広報センター

環境負荷は、近年の一大テーマの1つです。2015年には国連で17のゴールと169のターゲットからなるSDGs (Sustainable Development Goals : 持続可能な開発目標)が採択されましたし、第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)では、1997年に採択された京都議定書以来の気候変動に関する国際的枠組みであるパリ協定が採択されました。米国ではトランプ大統領が離脱を表明しましたが、バイデン大統領に政権が変わると、すぐに再加入を表明したことが話題にもなりましたね。

②動物倫理

お肉を食べるとき、お肉がどのように製造されたのか思い浮かべたことはあるでしょうか。ほとんどの方は思い浮かべたことがないと思います。目の前にある肉の塊が、生きた動物であったという事実は、目を背けたい現実です。さらにその動物たちが、身動きも取れないような過酷な環境で育てられ、若いうちに肥育され、工場に運ばれ、屠殺されて目の前に並んでいることを想像してしまうと、お肉が食べづらくなってしまいますよね。

近年では、動物愛護団体の方々だけでなくとも、欧米の若者を中心に動物倫理の観点に重きを置いて、動物を食べない、すなわちヴェジタリアンやヴィーガンの食生活を行う人も増えています。もちろん、スウェーデンの環境活動家であるグレタさんのように、環境負荷の観点からヴィーガンになる方もいます。単に、お肉の味が嫌いという理由ではないのです。

環境負荷、そして動物倫理を踏まえ、お肉をなるべく食べない方が地球のためになるんだろうなとは思うけれども、お肉は食べたい。そうした方の中には、元ビートルズのポール・マッカートニーが実践しているような、週に1日、月曜日だけお肉を食べないようにしようという、「ミートフリーマンデー」という活動もあります。お肉の摂取をなるべく減らす、いわゆるフレキシタリアンを目指す活動ですね。

週1の工夫が地球を救う!ミートフリーマンデーって?【ポール・マッカートニー主導】

こうした近年の流れを汲んで登場してきたのがビヨンドミート社に代表される、代替肉の会社です。持続可能な社会の実現に向けて、環境負荷の大きいお肉はなるべく食べないようにしたい。でも、やはりお肉は美味しいので食べたい。そうした、人間の葛藤を解決してくれるのが代替肉なのです。代替肉は、植物ベースで作られているので、環境負荷は動物性の肉、例えば牛肉や豚肉と比較しても格段に小さいのです。

環境負荷や、動物倫理について、まだまだたくさん書きたいことはありますが、長くなってしまうので今回は割愛し、他の記事でまたご紹介しようと思います。

こうした問題にフォーカスした、「Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密」という畜産業界に潜む環境問題に対するタブーに切り込んだドキュメンタリー映画もあります。私たちが普段知ることのないような、政治、畜産業、そして環境保護団体の「闇」の側面を、実際のインタビューを通じて解き明かしています。少々過激で偏った面もありますが、非常に興味深いので、興味のある方は是非見てみてください。Netflixでも見られます。以下のYouTube映像は英語ですが、日本語字幕もあります。

”地球の資源を破壊する工場式農業。地球環境保護を唱える環境団体がこの深刻な問題に触れない理由とは? 環境問題のタブーに鋭く切り込むドキュメンタリー。”

ビヨンドミートはどのようにお肉を作っている?商品は?

ビヨンドミートでは、大豆プロテインを中心とした商品を製造しています。大豆は、畑の肉とも呼ばれ、たんぱく質が豊富です。その大豆の持つ植物性タンパク質を活用して、代替肉を作製しているのですね。ちなみに、プロテインとは単にタンパク質の英訳で、ジムでの筋トレ・運動後に飲むプロテインは日本語で言うとタンパク質を飲んでいるのですね。英語にするだけでだいぶ印象が変わりますね。こうしたスポーツ用のプロテインにも、大豆から作られたソイプロテインの商品もあったりします。

では、具体的にはどんな商品があるのでしょうか。

ビヨンド・ミート社の公式HPを見てみると、現在のラインナップは以下のような商品になっているようです。

  • ビヨンド・バーガー (Beyond Burger)
  • ビヨンド・ソーセージ (Beyond Sausage)
  • ビヨンド・ブレックファースト・ソーセージ (Beyond Breakfast Sausage)
  • ビヨンド・ビーフ (Beyond Beef)
  • クックアウト・クラシック (Cookout Classic)
  • ビヨンド・ビーフ・クランブルス (Beyond Beef Crumbles)
https://www.beyondmeat.com/

大手飲食チェーンとの提携も

2021年に入ってから、数多くの飲食チェーンとの提携が発表され、株価もいっきに上昇しました。ペプシコーラで有名なペプシコ社($PEP)と植物ベースのプロテインスナックやドリンクを製造するという提携の報道から始まり、マクドナルド($MCD)やヤム・ブランズ($YUM)との複数年契約の提携も発表されました。

マクドナルド(McDonalds)とは、植物ベースのハンバーガーであるマックプラント向けにビヨンド・ミート社の代替肉を使用するだけでなく、その他商品向けにも、植物由来の代替肉を使用する方針のようです。

また、ヤム・ブランス(Yum! Brands)はあまり馴染みのない会社かと思いますが、参加のブランドにはケンタッキーフライドチキン(KFC)や、ピザハット、近年日本でも店舗を増やしつつあるタコスのチェーンのタコベル、日本には未上陸ですが、ロング・ジョン・シルヴァース、沖縄で展開するA&Wなどがあります。

大手資本との提携により、より研究開発が進みそうですね。また、本格的に大手チェーンにて発売が始まれば、安定供給が見込まれ、業績も安定してきそうです。コロナ下で通販の拡充も進めていたようですね。

ビヨンド・ミートの業績は?株価は?

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ペプシコとの提携が発表されてから、株価は25%ほど急上昇したものの、その後は大きく下落しました。金利上昇による株式市場から資金流出も一部影響してきています。ビヨンド・ミートの直近の決算(2021年2月)は、売上は増加したものの、売上高もEPSもアナリストの予想を下回り、株価は一時10%以上下落しましたが、マクドナルドやヤム・ブランズとの提携が発表されてからはプラスに転じています。

今後は金利上昇の影響が出てくるかもしれませんが、大手チェーンとの提携により、売上が安定してくることが期待できますね。また、SDGsに寄与してきますので、バイデン政権の方針とも重なってきます。ますます増加してくるESG投資の対象としても、魅力的な銘柄なのではないでしょうか。

一方、ビヨンド・ミートには競合も多く存在します。代表的なのが、同じくアメリカのインポッシブルフーズ社(Impossible Foods)です。こちらは、バーガーキングと提携し、アメリカのバーガーキングでは既に商品化され、発売されています。

また、植物ベースの代替肉ではなく、動物の肉を培養して肉を作る培養肉を製造しているオランダのモサ・ミート (Mosa Meat)や米国のメンフィス・ミーツ (Memphis Meats)、米国のイート・ジャスト (Eat Just)といったスタートアップや、"SEAFOOD WITHOUT SACRIFICE" (犠牲のない海鮮)を掲げる、魚肉の代替肉を手掛けるグッドキャッチフーズ (Good Catch Foods)、3Dプリンタを用いてステーキの製造をしているスペインノヴァ・ミート (Nova Meat)、イスラエルのリディファイン・ミート (Redefine Meat)といった会社もあります。

ビヨンドミートのお肉は日本でも食べられる?

ここまで読んで、ビヨンドミートのお肉を食べてみたいという方もいらっしゃるかと思いますが、実は日本ではまだ発売・販売されていません。日本ではいつ発売になるのかも公表されていませんが、早めの上陸を期待したいですね。

特に、マクドナルドやペプシコといった大手資本と提携したため、提携会社のチェーンで発売が開始されるのが最初かもしれません。

新興の海外チェーンは、日本に上陸してもまずは東京だけ、しかも値段・価格が現地の価格より高かったりします。しかしながら、マクドナルドやKFCといった日本全国に既存のチェーンからの発売であれば、あまり高くない価格での提供が期待できそうですね。

また、ビヨンド・ミート社の製品ではないですが、モスバーガーやフレッシュネスバーガーからも植物性代替肉を利用したハンバーガーが発売されていますので、興味のある方は食べてみてください。本物の肉にそっくりな味で、言われなければ本物の肉ではないと気づけないかもしれません。それ以外にも、カゴメやマルコメからソイミートの製品が発売されています。こちらは通販も可能ですので、気軽に試してみたい方は是非。

ビヨンド・ミートの代替肉は危険?

ビヨンドミートの代替肉は危険ではないかという提唱をする人もいるようです。実際、本物の肉の味に近づけるために、塩分が多めに使われているという課題から、そうしたことが言われているようです。普段から塩分過多の食生活をしている方にとっては、あまり好ましくないかもしれませんが、大量に食べるわけではなく、また本物の肉であれ調味料で味付けするので、本物の肉と比較して健康的に大きな問題があるとは言えないでしょう。

おわりに

経営コンサルティング会社のATカーニーのレポートによると、肉市場における代替肉・培養肉の占める割合は、2040年までの60%になるだろうと予測されているそうです。すなわち、現在私たちが食べている、本物の肉、すなわち動物由来の肉は40%にまで減少するということです。

環境問題や動物倫理の問題が大きく騒がれ始めて間もない現在からは想像もつかない世界ですが、ビヨンド・ミートのような会社が"Meat 2.0"として我々の食生活を変え、持続可能な世の中を創り上げていくという道筋が見えてきました。

一個人としては、ESG投資の一環としてビヨンド・ミート社に微力ながら投資することで、持続可能な社会の実現に少しでも貢献しようと考えています。

アメリカの投資は日本とは異なり1株から可能で、とてもハードルが低いです。現在、1株145ドル=約1万5000円程度から、ビヨンド・ミート社の株を購入することが可能です。日本未上陸な現在、ビヨンド・ミート社に微力ながら投資することで、応援してみてはいかがでしょうか。

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