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中国の中のモンゴル!内モンゴルの文化と環境【体験記】観光も!

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中国の中のモンゴル!砂漠と草原!内モンゴルの文化と環境【体験記】

みなさん、モンゴルって知ってますよね?大国ロシアと中国に挟まれた内陸国。朝青龍や白鵬をはじめとする力士の出身地としても有名です。

では、内モンゴルって知ってますか?名称からはモンゴルの内側かなって思うかもしれません。しかし、実はモンゴルの国外、お隣中国の中にあるんです

そんな面白い場所にある内モンゴルについて、体験談から話していきたいと思います。


内モンゴルとは?

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内モンゴルとは、中国北部、モンゴルとの国境に位置する自治区のうちの一つです。英語では”Inner Mongolia”。中国の主要な民族は漢民族です。しかし、中国は56もの民族からなる多民族国家なのです。

内モンゴル自治区は、その名の通りモンゴル族による自治区とされており、その人口はモンゴルに住むモンゴル族の数より多いとされています。南モンゴルと呼ばれることもあります。

一方、多くの漢民族も同様に内モンゴル自治区に住んでおり、その数は人口の80%近くにまでのぼります。公用語は中国語とモンゴル語です。

中国にいながら、看板や標識にモンゴル語が併記されているのは不思議な感覚でした。また、内モンゴルのモンゴル語は、モンゴルで話されているモンゴル語と同じ言語ですが、異なる方言のようです。

内モンゴルの経済

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中国の経済は、沿岸部と内陸部で非常に格差が大きいです。したがって、内モンゴルの経済状況はあまり良くないのではないか、草原と馬しかいないのではないかというイメージ、先入観が訪問前までありました。

しかし、訪れてみると、そのイメージとは異なり、たくさんのビルが立ち並ぶ都市が目に入ってきました。そこは、包頭(パオトウ)、内モンゴル自治区の中心都市の一つです。北京からの国内線で、ここにある包頭空港にたどり着いたのでした。

この包頭、実は内モンゴル自治区にありながら、人口のほとんどを漢民族が占めているのです。モンゴル感がなくて当然ですね。はフフホト、モンゴル語で青い城を意味する内モンゴル自治区の省都も同様に、人口のほとんどを漢民族が占めています。

内モンゴル自治区の主要産業は、農業・畜産業と資源(石炭、石油、レアアース)の採掘です。特にレアアースは重要な資源で、世界のレアアース生産量の97 %を中国が占めていますが、そのほとんどは内モンゴル自治区から採掘されたものとなっています。

こうした事実から、内モンゴル自治区は中国にある自治区の中で最も発展しており、その経済規模はモンゴルよりも大きくなっているのです。


レアアースとは?

レアアースは日本語で希土類と書き、レアメタルの1種とされています。レアアースには、スカンジウム Sc、イットリウム Yと、ランタノイドと呼ばれるランタン La からルテチウム Lu までの15元素の計17元素が含まれます。

レアアースは、iPhoneに代表されるスマートフォンから、パソコン、カメラ、自動車といった幅広いハイテク分野で必要不可欠な金属です。

そのほとんどが中国に偏在しているため、レアアースの欲しい日本や欧米と貿易摩擦をも引き起こしています。

実は、2018年に早稲田大学の高谷雄太郎氏の研究チームによって南鳥島海底下に、レアアースが埋蔵されていることが発見されています。採掘コストの削減が実現すれば、中国からの輸入に頼らずとも日本でレアアースの自給ができるようになるかもしれませんね。

一方、包頭からバスに乗り、少し離れると広大な草原が広がっていました。これぞモンゴルという景色です。モンゴル民族の移動式の家「ゲル」(中国語ではパオ)も見かけました。

従来の彼らは、このゲルを用いて遊牧する(ノマド)遊牧民でした。一方、急速な開発により、遊牧のための牧草地が減少してしまったこともあり、現在ほとんどの人が定住生活をしています。したがって、多くのゲルは観光用でした。


内モンゴルの砂漠と砂漠化

内モンゴル自治区にはいくつかの砂漠があり、場所によって名前が異なりますが、まとめて「ゴビ砂漠」と呼ばれています。地理の教科書にも載っている有名な砂漠です。春先に日本に飛来する黄砂は、主にここから来るとされています。内陸にあるため、気温の差が大きく、真夏には40度、真冬にはマイナス40度にも。

砂漠を訪れる経験は初めてだったのですが、本当に一面砂で、丘も谷も砂でできています。ラクダが歩き、典型的な砂漠のイメージにぴったりの美しい砂漠でした。中国は何都市か訪れましたが、この砂漠が最も印象に残っています。

しかし、単に美しい砂漠に訪れた、綺麗な写真が撮れた、だけでは終われません。そこにも重大な人間活動による影響が発生していたのです。

気候変動により、雨があまり降らなくなってしまったこと、及び遊牧民が定住し始めたため、定住地の周りの草原に非常に大きな環境負荷がかかり始めてしまったのです。

結果として、草原の草木は家畜により食べつくされると共に、水不足で枯れていきました。そして、砂漠がどんどん広がってしまったのです。そうです、砂漠化が進行してしまったのです。


砂漠化の抑制に日本人が活躍!

そこで砂漠化の進行を食い止めるため、一人の日本人が立ち上がりました。それが鳥取砂丘のある鳥取大学名誉教授、農学者の「遠山正瑛」です。

彼は内モンゴル自治区のクブチ砂漠の緑化に貢献し、中国政府によって生前に銅像が建立されています。これは、毛沢東を除くと唯一の快挙です。


遠山正瑛のエピソード【アジアのノーベル賞を受賞!】

外務省時代に、当時国交の無かった中国に研究調査留学した遠山正瑛は、ゴビ砂漠が農地を侵食し、作物が取れずに困窮、2000万人以上が餓死しているという現状を目の当たりにした。

遠山正瑛は、なんとかして砂漠を緑化し、彼らを助けようとしたが、2年後に日中戦争が勃発し、強制帰国に。帰国後は、国交の無い中国には二度と渡航することができなかった。

しかし1972年、日中共同声明により、日中国交正常化の転機が。そこで遠山正瑛は、家族を残し、私財をなげうって単身中国へ。しかし、そこにかつてあった村は砂漠に飲み込まれ、ゴーストタウンとなってしまっていた

中国政府も匙を投げてしまったその地で、彼は40度を超える猛暑の中、四国ほどの大きさのあるその砂漠を歩き回り、砂を掘り続けることで、なんと水源を発見した。そこで、鳥取砂丘で砂漠緑化に成功した経験のある彼は、その時用いた「葛」の種7000万粒を8年かけて集めた。

しかし、反日感情の強い現地人に、妨害され、植えた葛を全部ヤギに食べられてしまう。土下座して頼み込んでも、取りつく島もなかった。

そこで、彼はポプラの木に着目した。ポプラの木は、成長が早く、ヤギに食べられてしまうこともない。しかし、ポプラの生育には大量の水が必要である。

そこで彼は、おむつにも使われる保水ポリマーに着目し、ポプラに与えてみた。すると見事成功し、ポプラは砂漠の地でも育ったのである。

しかし、またもや試練が発生し、数十年ぶりの黄河の大反乱により、100万本植樹が目前に迫ったところで、ポプラが全て流されてしまった

そこで協力な助っ人として現れたのは、以前は反対運動をしていた地元住民だった。度重なる試練にも諦めず、砂漠緑化に対して努力してきた日本人の行動に、心が動かされたのである。

彼らの協力を得て、砂の海だった死の土地が、2万ヘクタールの緑の森に生まれ変わったのだ。農地化にも成功し、野菜が採れるようになり、去っていった住人たちが戻ってくるまでにもなった。

こうして、一人の日本人により、内モンゴル自治区の砂漠が緑地化されたのです。 遠山正瑛は、こうした活動が評価され、マザー・テレサやダライ・ラマにも贈られた「アジアのノーベル賞」とも呼ばれるマグサイサイ賞を受賞しました。

テレ東プラス「スパイ疑惑をかけられながらも...中国”死の土地”で2000万人の飢えを救った日本人」より筆者要約

こんな巨大な車に乗って砂漠を走りました。大きく揺れて、迫力満点です。



度重なる試練にも耐え、異国の地の人々を助けるため、大変な努力をなされた遠山正瑛のエピソードを聞いたとき、非常に感動しました。彼の活動は、現在「一般社団法人 倫理研究所」に引き継がれており、緑化隊の派遣などを行っています。

僕が訪れた際には、植林を体験することはできませんでしたが、砂漠の横に広がる広大な林を目の当たりにし、遠山正瑛の活動の偉大さを感じることができました。

内モンゴル自治区を訪れる機会があれば、ぜひ砂漠と、その横の林を訪れ、遠山正瑛のことを思い出してくださいね。

包頭の露店にて。生きたカタツムリ。ギョッとしましたが、フレンチでもエスカルゴとして出されてますよね…。怖くて挑戦できませんでした。内モンゴルの主食は羊肉。いろんな種類のラムを用いたモンゴル料理がありました。



気候変動の影響を受けやすい場所

地球温暖化に代表される気候変動には、その影響を特に受けやすい国が存在します。その代表例が、モンゴル、アフガニスタンなどの中央アジアにある~スタン国家、エチオピア、ニジェールなどのサブサハラアフリカなどが挙げられます。

共通点は、内陸国であるということです。海の気温は陸の気温より変わりにくい、と聞いたことがあるかもしれませんが、それが主な原因の一つです。

内陸国では、気温が極端に高く(低く)なったり、雨が全く降らなくなったり(降りすぎてしまったり)します。気候変動の影響が極端に大きくなって生じるのです。

逆に、海に囲まれた小さな島国も、気候変動の影響を受けやすいと言われています。ツバルやナウルといった小さな島々は、標高が非常に低く、少し海水面が上がるだけで大きな影響を受けます。高潮や、台風の影響もモロに受けてしまします。

一方、内モンゴル自治区は、中国の一部であるため、内陸国とは呼ばれません。しかし、場所的には内陸国と同じで、気候変動の影響を大きく受けてしまうのです。結果として、砂漠化が進行してしまいました。

私たちは、日本に住んでいても、猛暑や暖冬が続いたり、梅雨が短くなったりといった気候変動を感じることができます。しかし、内陸国や島しょ国では、さらに大きな影響を受けているのです。さらに、自然との距離が近い彼らの生活は、その変動をより敏感に感じ取っているでしょう。

私たちが日本で気候変動の影響を大きく感じるようになってしまう頃には、影響を受けやすい国々では深刻な被害が生じてしまっているかもしれません。自分に大きな被害がないからといって気候変動を楽観視せずに、一人ひとりが気候変動の影響を考えながら行動していかなくてはなりませんね。

内モンゴルに観光で行く人はまだまだ少ないと思います。でも、広大な草原や、壮大な砂漠、馬やラクダ、そして美味しいモンゴル料理。さらには日本人の貢献により育てられた砂漠の横の林。魅力がいっぱいです。

僕は北京から国内線に乗りましたが、一時期は名古屋からフフホト行きの直行便が春秋航空出るなど(現在運休中)、行き方も多様化してきています。次の海外旅行の目的地としてぜひ考えてみてください!

ちなみに、日本にもモンゴルがあります。那須にある「モンゴリアビレッジ テンゲル」では、実際にゲルに宿泊したり、伝統衣装を着たり、モンゴル料理を食べられたりします。数年前に行きましたが、とても楽しめました。こうした、変わった宿泊体験がしたい方、モンゴルや内モンゴルに興味のある方にはオススメです。

また、内モンゴルへはとあるプログラムを利用して渡航費・宿泊費など完全無料で訪れました。そうした渡航費を支援してくれるプログラムの探し方をこの記事でまめているので興味のある方はぜひ読んでみてください!
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