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世界の環境首都!ドイツのフライブルク【環境政策とおすすめ観光スポット】

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世界の環境首都 ドイツのフライブルク

今回は、世界の環境首都と呼ばれる、サステナブルシティ、ドイツのフライブルクについて紹介したいと思います。フライブルク、名前を聞いたことがある方は多いかと思いますが、どのような街だか知っていますか?

フライブルクは環境先進国であるドイツの中でも、最も環境に優しい街であると言われています。また、魅力的な観光スポットも盛りだくさんです。そんなフライブルクについて、紹介していきます。

フライブルクの正式名称は?フライブルクってどこにあるの?

Wikipedia

フライブルクの正式名称は「フライブルク・イム・ブライスガウ」です。ブライスガウ地方にあるフライブルクという意味ですね。実は、お隣スイスにもフライブルクという都市があるのですが、こちらは「フライブルク・イム・ユヒトラント」であり、現地では区別のため、「フリブール」と呼ばれていました。

また、ドイツ語(あるいは英語)でフライブルクは” Freiburg”と書くため、「フライブル」と勘違いする方もいますが、ドイツ語の発音で”burg”は「ブルク」です。ちなみに、”frei”は「自由」、”burg”は「城」という意味です。

ジブリ映画 ハウルの動く城のモデルとなったコルマールからもほど近い

フライブルクはドイツ南西部、スイスとフランスの国境にほど近いバーデン=ヴュルテンベルク州に位置しています。シュヴァルツヴァルト(黒い森)の入り口に当たる都市でもあります。バーゼル条約で有名なスイスのバーゼルから電車で1時間弱、フランスのアルザス地方、コルマールやストラスブールも電車やバスでそれぞれ1時間弱、2時間弱の距離です。

フライブルクの中心部はあまり大きくはないですが、魅力的な建物や自然にあふれた素敵な街です。僕は留学中に何度も訪れました。また、日本の愛媛県松山市とは姉妹都市になっており、ブンデスリーガに所属するSCフライブルクも有名です。

なぜフライブルクは環境首都と呼ばれているの?

フライブルクは世界的に環境都市として有名です。ではなぜ、世界の環境首都とまで呼ばれるようになったのでしょうか。その歴史は、1970年代にまで遡ります。当時、環境を犠牲にした急速な経済発展により、大気汚染と酸性雨が深刻になりました。

結果として、シュヴァルツヴァルトの大規模な立ち枯れを引き起こしてしまいました。また、近郊の町ヴィールにおける原発建設計画の反対により、市民の緑の党に対する支持が非常に強くなりました。こうした出来事がきっかけで、フライブルクは環境首都への道を歩んでゆくことになりました。

参考:酸性雨って?【禿げる?】

具体的にはどんな政策や仕組みがあるの?

では、具体的にはどのような環境に優しい政策や仕組みがあるのでしょうか。

環境定期券とマイカー規制

フライブルクの街の中心部を歩いていると、あることに気が付くと思います。車が全く見当たらないのです。その代わり、トラム(路面電車)やバスを頻繁に見かけます。それもそのはず、フライブルクではマイカー規制がなされており、市の中心部にマイカーで入ることが禁止されているのです。

自動車大国のドイツで、車が禁止されているとは驚きですよね。しかし、彼らが皆、車を持っていないわけではないのです。彼らの自家用車は、中心部の外の駐車場に停められています。自動車に乗りたいときは、トラムかバスで駐車場まで行かなくてはならないのです。

では、なぜこのような少し面倒な形式をとっているのでしょうか。

実は、それも環境のためなのです。この形式は「パークアンドライド」と呼ばれています。フライブルクのような小さな街では、自家用車が中心部まで入ってくると、住民や観光客の車によって渋滞や大気汚染が引き起こされてしまいます。また、自家用車は便利ですが1台1台がエネルギーを消費しながら動いており、環境に優しくはありません。

一方、自家用車を規制し、バスやトラムといった公共交通機関に誘導することにより、より少ないエネルギーで人を運ぶことができる上、渋滞や大気汚染を引き起こすこともなくなります。

フライブルクでは、中心のはずれにある駐車場を基本的に無料で提供している上、環境定期券と呼ばれる市内のバス・トラムが乗り放題のチケットがあるため、中心部では車がなくても便利に移動することができるのです。

また、徒歩や自転車での移動も推進されています。市内のあちこちにレンタサイクルがある上、自転車専用道路や、ハイキングコースがいたるところにあります。電車に自転車を載せることも可能であり、多くの人が自転車通勤や通学をしています。

再生可能エネルギー(自然エネルギー)の普及

フライブルクは、2050年までに市内の全てのエネルギーを再生可能エネルギーで賄うことを目標としています。2019年現在、既に原子力発電によるエネルギーの割合を1992年時点での60 %から5 %以下へと減らしました。

また、太陽光発電に関する研究所を誘致し、市内の様々な箇所にソーラーパネルを設置しています。太陽光発電の研究所は、雇用を生み出し、経済の活性化にも貢献しています。

環境教育・自然教育も

フライブルクでは、環境教育・自然教育も盛んです。幼稚園では、野外教育に重点を置いた森の幼稚園が非常に人気です。子どもたちは、自然の中で五感をフル活用して学びを得ます。落ち葉や枯れ枝、どんぐりを使ってクリエイティブに遊んだり、多様な生き物がいることを学んだりします。

幼い時に自然と共に過ごした経験は、大人になってからも生きてきます。かけがえのない自然を壊したくない、自然と共に過ごしたい、という思いを自然と引き起こすのです。

ハイキング好きなドイツ人の感性は、子どもの頃の自然体験から来ているのかもしれませんね。「沈黙の春」の著者として有名なレイチェルカーソンは、自然の中で「センス・オブ・ワンダー」、すなわち「自然の中で不思議に思う感覚」を養うことができるとしています。

自然の中で好奇心を刺激された子どもたちは、子ども同士で考え、話し、新たな遊びにつなげます。こうして、楽しみながら多様な力を養っていくのですね。

参考:先生以外も必見!ESDとは?何の略?【環境と教育】

フライブルクでは、大学も環境に力を入れていることで有名です。フライブルクにある「アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク」、通称「フライブルク大学」は、1457年に設立された、非常に歴史の古い大学です。

“Sustainable University of Freiburg”(サステイナブルなフライブルク大学)というグループを作り、太陽光発電に関する研究を誘致した企業と共に進めると共に、再生可能エネルギーやバイオマス、地熱発電や環境マネジメントといった分野の研究も盛んです。世界大学ランキングでも常に2桁順位の評価を受けています。

その他

ゴミの分別も非常に厳しくなされていると主に、ゴミの排出量を減らす努力がなされています。ペットボトルや瓶で飲み物を買うと、デポジットとしてお金が取られ、空になった容器を戻すと、お金も返ってくるといった仕組みが整備されています。

これは、クリスマスマーケットなどの露天などでも同じで、ホットワインやビールのコップ/グラスや、食べ物のトレーやフォークなどにもデポジットが取られます。こうして、使い捨てのゴミが増えないような努力がなされています。

また、フライブルクには街中に水路が張り巡らされています。これは、もともとは生活用水や消火に代表される防災用の水路でした。

しかし、ドイツで最も暑い都市であるフライブルクでは、この水路を活用して自然のクーラーになるようにしています。水が蒸発するときに、熱を奪うため気温を下げますし、大人も子どもも足を入れたりして涼んでいます。

フライブルクのおすすめ観光スポット

ここまで、フライブルクのエコな取り組みを紹介してきましたが、ここからはオススメの観光スポットを紹介したいと思います。街の中心部はあまり大きくないため、観光時間はあまりかかりません。

しかし、郊外に足を延ばせばシュバルツバルトでハイキングもできますし、美味しいご飯やビールもありますし、穴場カフェを探すのも楽しいです。数日間ゆっくり過ごすのにもオススメです。

  • 旧市街

フライブルクの旧市街は、カラフルで壁絵も多く、歩いているだけで非常に楽しいです。あちこちにカフェもあり、休む場所にも困りません。Schwabentorという綺麗な門は時計台としても使われ、下をトラムが通り抜けています。日本語ではマルティン門(マーティン門)と呼ばれているそうです。

  • フライブルク大聖堂とミュンスター広場

ゴシック様式の非常に立派な大聖堂。建立は1200年頃と言われており、尖塔は116mもあります。外から見ても立派ですが、中のステンドグラスも非常に素晴らしい。

さらに、フライブルク大聖堂のまわりにあるミュンスター広場では、新鮮な野菜やフルーツが売られています。春には、特産のシュパーゲル(白アスパラガス)も売られています。シュパーゲル料理は本当においしいので春に来られたかたはぜひ試してください!

  • シュバルツバルト(黒い森)

フライブルクは、シュバルツバルトへの玄関口です。トラムに乗って気軽にシュバルツバルトまで足を運ぶことができます。週末にはたくさんのドイツ人がハイキングやピクニックを楽しんでいます。

特に春や秋は本当に気持ちいいのでぜひ訪れてみてください。Schlossberg(シュロスベルク)にある展望台からは、フライブルクの街並みを一望できます。ケーブルカーもあるので、運動が苦手な方でも簡単にアクセスできます。

また、郊外に出ると、一面にワイン用のブドウ畑が広がっています。ウォーキングコースとして整備されているところも多く、ゆったりと自然を楽しめます。

お得な切符

ドイツの鉄道DBは、バーデン=ヴュルテンベルク州チケット(Baden-Württemberg-Ticket)という州全土で使えるチケットを発行しています。これがあれば、州内の鉄道(各駅停車のみ)、バス、トラムに一日乗り放題です。

チケットをいちいち買わなくてよいため、非常に便利である上、格安です。購入方法は非常に簡単で、駅にある券売機で買うことができます。

一人24ユーロで、一人増えるごとに6ユーロ加算され、合計5人分まで一度に発行できます。人数が多くなればなるほどお得ですね。

  • 1人 24ユーロ (一人当たり24ユーロ)
  • 2人 30ユーロ (一人当たり15ユーロ)
  • 3人 36ユーロ (一人当たり12ユーロ)
  • 4人 42ユーロ (一人当たり10.5ユーロ)
  • 5人 48ユーロ (一人当たり9.6ユーロ)

バーデン=ヴュルテンベルク州全土で使えるため、ハイデルベルク、マンハイム、シュトゥットガルト、カールスルーエといった街にも行ける上、ドイツ、スイス、フランスの3か国国境の街であるスイスのバーゼルもその切符の対象内となっています。

スイスの物価は高いですが、スイスにもついでに訪れてみたい方にはオススメのチケットです。

フライブルクへのアクセスは?

フライブルクには、ユーロエアポート・バーゼル=ミュールーズ空港(通称ユーロ空港/バーゼル空港)が最寄です。

日本語の名称にはなぜかフライブルクが入っていなくて驚いたのですが、英語では” EuroAirport Basel-Mulhouse-Freiburg”で、フライブルクも入っています。日本からの直行便はありませんが、経由便で訪れることができます。

シュツットガルト空港や、日本からの直行便のあるフランクフルト空港から電車でアクセスすることができますし、同じく直行便のあるスイスのチューリッヒ空港からも実はフライブルクへの直通電車が走っています。スイスからのルートはあまり知られていませんが、スイスの観光もできるのでオススメです。

オススメの食べ物、レストラン

フライブルクで最もオススメのレストランは、“Martin's Brau”です。ビールの醸造所も兼ねたこのレストランでは、ここで作ったビールが飲める上、美味しいドイツ料理がリーズナブルな値段で食べられます。

巨大なチキンにポテト、ザワークラウト、そしてもちろんソーセージにビール。安くて美味しくて量もあって最高です!

また、おすすめのお菓子が、フライブルク名産の「黒い森ケーキ」(シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ)です。サクランボのお酒(キルシュ)が入ったケーキです。独特な味がしますが、フライブルクに来たからにはぜひトライしてみてください!

春にはシュパーゲル(白アスパラガス)も堪能でき、冬にはクリスマスマーケットもあります。グリューワイン(ホットワイン)の出店があちこちにあり、デポジットは返ってこなくなりますが、お気に入りのカップを持ち帰ることもできます。お土産にもオススメです。

おわりに

環境先進国として有名なフライブルク。日本でも見習いたい政策や仕組みが盛りだくさんでしたね。一方、観光地としても非常に魅力的なフライブルク。ゆっくりと過ごすのにオススメです。

ドイツの物価は、日本と同じぐらいで高くないので、現地でも余裕を持って過ごせます。ドイツ旅行の機会があればぜひフライブルクを訪れてみてください!

また、現在セブンイレブン記念財団では、「環境NPOリーダー海外研修」の募集が行われています。渡航費や宿泊費などは財団が負担してくれるため、完全に無料でドイツに渡航することができます。ドイツで現地の環境を自分の目でみてみたいという方は是非応募してみてください。

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