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コスタリカは日本より幸せ!本当の豊かさって何だろう?【金?物?心?】

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豊かさとは?

「豊か」という言葉、よく耳にする言葉ですよね。誰もがより「豊か」になりたいと思い描いているはずです。

しかし、「豊かさ」とは何なのでしょうか

お金がたくさんあることが「豊か」なことなのでしょうか。「豊か」の対義語は「貧しい」です。では、「貧しくない」状態が「豊か」なのでしょうか。

今回は、よく使う言葉ではあるけれど、本質がつかみきれない言葉である「豊かさ」について掘り下げていこうと思います。

三省堂の大辞林第三版によると、豊かさの定義は

                1.(好ましい物事が)十分に備わって不足のないさま。豊富。

                2. 財物が十分あって恵まれているさま。富裕。

                3. 精神的にこせこせせず、ゆとりのあるさま。おおらかなさま。

                4. 肉づきがよいさま。豊満。

                5. 基準・限度を超えて十分にあるさま、余りのあるさまを表す。

三省堂 大辞林第三版

であるとされています。ここからわかる通り、「豊かさ」の定義には「物質的」な面と「精神的」な面があるのです。

したがって、お金がたくさんあったとしても、ありとあらゆるものを手に入れたとしても、「物」の豊かさは満たされますが、「心」の豊かさは満たされないのです。

本当に豊かになるには、「物」「心」共に豊かにならなければなりませんね。

日本は豊かな国?

では、私たちの住む日本は豊かな国なのでしょうか。

多くの人は「豊か」だと答えるのではないでしょうか。当然、日本はGDP世界第三位の国で、「お金」も「物」も豊富にありますね。何かが欲しくなれば、どこにでもある、24時間365日開いているコンビニに行けば、たいていのものは手に入ります。

身体に障がいがあって満足に働くことができなかったとしても、生活保護といった政府からの厚い手当もありますね。中学校までの義務教育は無償で、難しい言語であるのにもかかわらず識字率は100 %です。戦争も徴兵もありません。

やはり、日本は「豊か」なのでしょうか。

私たちは、中学、高校、大学と受験戦争に飲み込まれ、そこで失敗すると挽回するのは難しい階級社会の中にいます。社会に出てからも階級社会は続き、労働時間も非常に長いです。やりたい仕事、働きたい場所を自分で選ぶことはできず、上司の匙加減で、駒のようにどこかに飛ばされ、やりたくもない仕事をさせられることもあります。

プレッシャーの大きい社会で、失敗は許されません。自殺率も高いです。高齢化した社会では、定年が遅くなり、年金がもらえるかもわかりません。

私たち日本人は、本当に「豊か」なのでしょうか。

例えば、アフリカのソマリアはどうでしょう。GDPは低く、紛争があり、ギャングもたくさんいます。食べ物も足りず、栄養失調の子ども多いです。お金があったとしても、満足に物や食べ物を買うこともできません。働きたくても、働くための選択肢も少ないのが現状です。

ソマリアは「豊か」な国ではなさそうな気がしますね。

では、海を挟んで日本のお隣にある中国はどうでしょうか。

近年、急速に経済発展し、日本を抜いてアメリカに次ぐ第二位のGDPを誇ります。北京や上海、広州といった大都市の高層ビル群は、東京以上の圧巻です。日本にたくさんの中国人がいわゆる「爆買い」をしに来ていることからもわかるように、彼らの多くは「お金持ち」です。「お金」があり、十分な「物」がある

彼らは「豊か」なのでしょうか。

実は、私たちが目にしている中国人は、14億人いる中国人のごく一部なのです。56もの民族からなる多様な国である中国は、富が東の沿岸部に集中しています。日本でよく目にする中国人たちの大半は、沿岸部から来た人たちです。

では、内陸部はどうなっているのでしょうか。

内陸部は、貧しい農村や少数民族自治区です。満足に食べ物を得ることも、欲しいものを買うこともできにないという人も少なくありません。農村では、十分なお金を稼ぐことができず、沿岸部に出稼ぎに行くひとが後を絶たちません。

一方、満足に教育を受けることのできなかった人たちが、沿岸部の大都市に行ったところで、高給な職業にありつくことはできません。

したがって、ホームレスになってしまったり、過酷な肉体労働や売春といった性労働に従事することになるのです。日本に住んでいると、こうした格差を実感することはありませんね。

したがって、GDPは「豊かさ」の指標にはならなそうですね。

では、「豊かさ」とは、「格差がないこと」なのでしょうか。

沿岸部の人々も、内陸部に住む人と同じ水準で生活していた場合、全ての人がお金や食べ物に困ってしまいます。格差が無かったとしても、「豊か」ではなさそうですね。

また、内陸部に住む彼らにとっては、「豊かさ」とは「金」「物」であり、それらを獲得することを目当てに出稼ぎに出ているのでしょうか。

はたまた、稼いだ「金」やそれで得た「物」で、家族を幸せにすることに「豊かさ」を感じているのでしょうか。

生活の水準が上がること、その変化が「豊か」になるということなのでしょうか。

一人当たりのGDP (GDP per capita)

Statistics Times

次に、一人当たりのGDPを考えてみましょう。国土が大きく人口の多い中国は必然的にGDPが大きくなりがちですが、人口が多い分、一人当たりのGDPの値は小さくなります。

2019年の一人当たりのGDPランキング上位は、ルクセンブルク、(マカオ)、スイス、ノルウェー、アイスランド、アイルランドとなっています。

これらの国々は、(マカオを国とみなすかについては議論ありなので今回は除外)全てヨーロッパの先進国ですね。安定したお金持ち国家です。教育、社会保障が充実し、移民を含め全ての人に平等な機会を提供している国家です

日本人に、「日本より豊かな国は?」と質問したら出てくる答えは、こうした国なのではないでしょうか。では、これらの一人ひとりあたりのGDPが高い国々の人たちは、「豊か」なのでしょうか。ちなみに、日本の一人当たりのGDPは世界第26位です。

世界幸福度ランキング

https://worldhappiness.report/

次に、世界幸福度ランキングを見てみましょう。

上位は、フィンランド、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、オランダ、スイス…お気づきになったでしょうか。先ほどの一人当たりのGDPランキング上位国と似通っていますね。参考までに、ルクセンブルクは14位、アイルランドは16位です。一人当たりのGDPが高い国家の人々は、幸福を感じてそうですね。 そして、日本はなんと58位です。

では、「豊か」とは「幸福度が高いこと」なのでしょうか。

ここで、上の世界幸福度ランキングの上位国をよく見てみてください。上位国のほとんどは先進国ですが、12位に中央アメリカの国、コスタリカが入っています。GDPは世界79位、一人当たりのGDPは世界58位のコスタリカは、決して先進国ではありません。

また、異なるランキング指標である、「地球幸福度指数ランキング」では、コスタリカが3年連続1位となっています。なぜ、コスタリカは日本よりも幸福なのでしょうか。コスタリカは日本よりも「豊か」な国なのでしょうか。

幸福度と自然

コスタリカでは15世紀以降、牧畜や木材需要の増加に伴って無計画な伐採が行われ、森林に覆われていた国土は「はげ山」になっていきました。

環境破壊の実情を憂慮したコスタリカ政府は、自然資源・エネルギー・鉱山省を設立し、農業省から国立公園局や森林局、野生生物局を移管。保全プログラムの統一を図るとともに、革新的な施策を実行していきました。

数々の取り組みの結果、森林の面積は大きく回復。復活した生物多様性は、世界中から多くの観光客を呼び込み、エコツーリズムが発展。自然保護とともに富をもたらすサステナブルな基幹産業としてコスタリカの経済を支えています。

Daiwa House Group, Smart eco towns

自然を大切にするコスタリカでは、電力も98%以上を再生可能資源から得ています。大規模な河川と雨に恵まれたコスタリカでは、電力の74%は水力発電でまかなっていますが、近年では地熱発電や風力発電の利用も拡大しています。

将来的には排出される二酸化炭素をその吸収量と相殺する「カーボン・ニュートラル」を目指しています。

Daiwa House Group, Smart eco towns

こうした国を挙げての環境政策が、なぜ実行できたのか。そこには、物事を柔軟に受け入れる、平和で穏やかなコスタリカの国民性と高い教育水準があるのではないか、と環境・平和活動家の丹羽順子さんは話します。

1948年、コスタリカは軍隊を廃止。1983年には「積極的永世非武装中立宣言」を発表しました。安易に軍事に頼らず、平和的解決を積み上げていくことに注力し、「平和主義外交国家コスタリカ」のイメージを世界にアピールし続けています。

さらに、平和教育や環境教育を行い、国民の意識の向上にも努めてきました。その結果、世界に先駆けてサステナブルな社会がつくられていったのでしょう。

生物多様性と再生可能資源に恵まれ、自然と人間とが調和した暮らしを営んでいるコスタリカの人々。次の時代をよりサステナブルなものにしようと行動する国民一人ひとりの意識が「幸福度の高い国」をつくり上げてきたといえそうです。

Daiwa House Group, Smart eco towns

こうしたコスタリカの現状、取り組み、考え方から、自然と調和した平和な暮らしを追い求めていった結果、サステイナブルな社会が作り上げられたと言えるでしょう。

そして、サステイナブルな社会では、「自分だけが良ければそれで良い」と考えるのではなく、「次の世代のニーズを損ねないように」心がけなくてはなりません。

自己中心的な考え方をせず、自分も他人も自然も大切にして共生していく過程で、日々の暮らしに幸せを見出すことができるようになったのでしょう。

GDPが高くなくとも、欲しいものが簡単には手に入れられなくとも、人と自然とが調和した平和な暮らしが、彼らに幸せをもたらしているのです。


したがって、彼らがお金持ちになって東京に移り住み、欲しいものがなんでも手に入り、美味しいものを何でも食べることができたとしても、自然と切り離されたコンクリートジャングルでの生活では、幸せを感じることができないかもしれません。

東京では、 他人は他人、助け合う存在ではありません。未来の世代である子どもたち対する配慮もまだまだ足りません。お金を手に入れた彼らが東京に来て、なんでも食べられて何でも得られる生活を送ったとしても、彼らは幸せにはなれなそうですよね。

こうして「心」が荒んでしまった場合、彼らの生活は「豊か」であるとは言うことができませんね。

では、「豊かさ」とは精神的なものなのでしょうか。

「豊かさ」と価値観

これまで、「豊かさ」とは何なのか議論してきました。しかし、議論を深めるにつれ、また具体例を挙げるにつれ、どんどん複雑になってきましたね。

ある人にとっては「お金」、ある人にとっては「物」、ある人にとっては「家族」「平和」「自然との調和」。人によって、多様な「豊かさの指標」がありそうです。あるアメリカのウェブサイト”PickTheBrain.com”によると、豊かさに指標は4つあるそうです。

  • Emotional Wealth (感情的な豊かさ)
    感情が安定していれば、外部の多様な要因に影響を受けることはない
  • Time Wealth (時間的な豊かさ)
    自分の人生を自分のやりたい方向へと動かすために、自由に時間を使うことができる
  • Location Wealth (場所の豊かさ)
    いつでもどこでも、旅したり住んだり働いたりできる
  • Wealth of Reciprocation (他人に分け与える豊かさ)
    自分の得た幸せを他の人にも共有する

これら4つの指標は、「お金」や「物」ではなく、より精神的な方面の「豊かさ」ですね。これら全てが達成されれば、たとえお金がなかったとしても、欲しいものが手に入れられなかったとしても「豊か」なのかもしれません。

アニメ、ワンピースの冒頭で「富」「名声」「力」というナレーションがありますが、これらは、上記の4つとは全く性質が異なります。一人ひとりが多様な価値観を持つため、「豊かさ」の定義も人によって異なるのですね

「物」「心」共に豊かな社会へ

現在の日本は、「物」が豊富にあります。お金さえあれば何でも買えます。技術の進歩により、私たちの生活は非常に便利になっています。

自分の足を使わずとも手軽に遠くへ移動できます。屋外の気温が高くとも低くとも、屋内では快適な温度で生活することができます。すなわち、物理的には非常に豊かな生活を送ることができているのです。

一方、便利さを追求し続けた私たちの生活は、主に都市圏において、自然とは完全に切り離されてしまっていますよね。いわゆるコンクリートジャングルの中で生活が完結してしまっている人も少なくないと思います。

また、より安く、より高品質な商品を求めるがあまり、無意識に生産者の生活を圧迫してしまっていることも多々あります。

しかしながら、多くの人はその事実を意識することはありません。そうした実感をするきっかけすらないからです。

知識もなく実体験も、関わり合いもなければ、例えば、トマトを食べるときに、トマトが誰によって育てられ、どこから来るか、どうやって育てられ、どうやってここまでたどり着いたのか、なぜトマトに傷一つないのか、冬でもなぜトマトが手に入るのか…といった想起をすることはできません。

したがって、生産者によって苦労して作られた食べ物も簡単に残して捨ててしまうのです。

こうした生活は、物質的には豊かであるが、精神的にはいかがなものなのでしょう。身の回りの目に見える豊かさのみに目がくらみ、自然や他人といった直接は自分と関係のない対象を思いやる心が貧しくなってしまっているのではないでしょうか。

日本人は自らのことを「豊か」だと考えているかもしれません。十分なお金が手に入り、なんでも買えてなんでも手に入るあなたは「豊か」かもしれません。

でも、もう一度考え直してみてください。「物」はたくさんありますが、「心」が病んでいるかもしれません。

しかし、「豊かさ」の定義は、人により多様であることは既に述べた通りです。したがって、自分が現在「豊か」だと感じて入れば、あなたは「豊か」です。

一方、日本の世界幸福度ランキングは58位です。日々の暮らしが幸福であると感じている人は多くはありません。日本には、誰も得することのないくだらない「伝統」に縛られたルールや、互いに足を引っ張り合うような風潮が見受けられます。

型にはまることを好む、あるいは同調圧力で型にはまらざるを得ないものの、誰一人としてそれを望んでいない日本人は異様です。「空気を読む」という文化から生じてしまう風潮なのかもしれません。

私たちは、一人ひとりが 精神的にも「豊か」になれるよう変革をすすめていくべきでしょう。 コンクリートジャングルの中で人間関係に疲弊しているあなたも、自然と調和した、皆がお互いに幸せを分かち合うことのできる社会を創り上げることができるよう、今一度「心」の豊かさを考え直していくべきではないでしょうか。

「物」「心」共に豊かな社会を創り上げることで、サステイナブルで「本当に豊かな」社会を実現することができるでしょう。

おわりに

ここまで、本当の豊かさについて議論しました。日本には「モノ」が豊富にありがすが、「心」の豊かな日本人は少ないように感じます。その原因として、「他人への無関心」及び「体験の不足」があるのではないかと思います

他人は他人。こうした考え方が悪いわけではありません。一方、こうした考え方は、自己中心的な考えにつながります。街で誰かが困っていても、「自分は忙しい」「自分も困っている」「自分には関係ない」といった理由からか、手を差し伸べない人が多いでしょう。

また、自分の食べる食べ物や、来ている服は、地方の農家だったり、途上国の工場で生産されています。したがって、そうした生産者たちも自分の生活とは間接的に関係があるはずなのです。しかし、日常生活で彼らのことを想起することはないでしょう。想起するきっかけすらないのです。

これは、「体験」が不足しているからであると考えられます。海外の途上国を訪れたことがなければ、あるいは農業を経験したことがなければ、困窮している途上国の人々や、生産者たちに関しても「他人事」にならざるを得ません。実際に「体験」しなければ、他人の状況を理解するのは難しいのです。

こうした日本の現状もあってか、大企業や国は、渡航費や滞在費も完全無料で海外派遣プログラムを開催しています。私は、こうしたプログラムに数回参加し、途上国や生産者の現状を体感すると共に、日本人の「無関心」を解決したいと強く感じました。

したがって、本ブログのような媒体で環境に関する情報を発信すると共に、実際に海外を訪れたり、日本でも地方の農家を訪れたりしてみることを強くオススメしています。完全無料の海外プログラムも多いので、皆さんにぜひ強烈な「経験」を積んでほしいと思っています。

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